来年、取り壊しとなる銀座ソニービルを訪れた。ソニービルは、1966年竣工、地上8階、地下3階建ての自社ショールームビル。
ソニービルに初めて入ったのは、小学4年生ごろだったか。まだ、オーディオ機器に大衆が憧れるような時代だった。何階だったか分からないが、ムード照明な部屋に、ステレオセット一式が何組も置かれており、自由に試聴できるようになっていた。
訪問した時点で、すでにソニーショールームは、近くの銀座プレースに移転済み。
残っているのは一部テナントと、PLAZA GINZAだけ。各テナントにもかつての輝きはない。結局、ビルの構造が古すぎるということだろう。
そんなさびれたソニービルだったが、一つだけ昔と変わらない設備が残されていた。それは、メロディステップ、踏むたびに音の出る階段である。
音が出る仕組みは簡単で、階段のステップ左右に光電管が設置されており、靴が光軸を遮る事によりスイッチが入り音が鳴る。
訪問した時には、各階段にそれぞれ異なる鳥の鳴き声が設定されていた。
かなり時代遅れな構造のビルなので取り壊しも仕方ないところだが、子供の頃の思い出が無くなってしまうようで少しさびしい。ソニー自体もあまり元気ではないので、何年か後に新しく建つであろう設備に期待はできないが、できれば新しい時代を開くような、斬新なビルを造って貰いたいものです。